『SILENT HILL f』発売:昭和日本×サイコロジカルホラーは“賛否両論の傑作”か──評判・仕様・購入ガイド総まとめ
2025年9月25日発売。舞台は1960年代の日本・戎ヶ丘。竜騎士07がシナリオを担当し、NeoBardsが開発。Metacriticは85〜86点帯、Steamは「非常に好評」で出足好調。価格・対応機種・難易度・賛否のポイントまで完全整理。

2025-09-25、KONAMIのシリーズ最新作『SILENT HILL f』がPS5/Xbox Series X|S/PC向けに発売。舞台は1960年代の日本・戎ヶ丘、主人公は高校生・深水雛子。シナリオは『ひぐらしのなく頃に』で知られる竜騎士07。発売直後からMetacritic 85〜86点帯、Steamでも「非常に好評」と評価が集まる一方、アクションやUIに対する指摘も目立つ。本稿では発売情報・仕様・レビュー傾向・プレイフィール・購入ガイドを“骨太に、しかし読みやすく”整理した。
発売概要
2025-09-25 に『SILENT HILL f』が正式リリース。対応は PlayStation 5、Xbox Series X|S、PC(Steam/Epic/Windows)。KONAMI 公式は“1960 年代日本を舞台にした新たな心理ホラー”と位置づけ、開発は NeoBards Entertainment が担当する。公式発表では「Day One のパッケージ版とデジタル(通常版/デラックス)」が提供される旨が明記され、グローバル同日展開の体裁だ。日本の Steam ストアでは通常版が税込 8,580 円、デラックス版が 9,790 円で案内(ストア地域により通貨表示が異なる)。CERO は Z(18 歳以上のみ)。PC の最低動作は Windows 11 x64、i5-8400/Ryzen 5 2600、メモリ 16GB、GPU は GTX 1070 Ti / RX 5700、ストレージ 50GB(SSD 推奨)。推奨動作は i7-9700/Ryzen 5 5500/RTX 2080 / RX 6800XT 級で、FHD ならパフォーマンス 60fps または品質 30fps 想定(4K は DLSS 等の技術活用を見込む)。
物語・舞台・制作陣(1960 年代日本=戎ヶ丘という選択)
舞台は山間の田舎町「戎ヶ丘(えびすがおか)」。霧に包まれ、見知った日常が悪夢へ反転していく“おぞましくも美しい”ビジュアル・音響が核だ。主人公は高校生の深水雛子。プレイ中に遭遇する出来事は現実・妄想・土着信仰の怪異が折り重なる構図で示され、プレイヤーは探索と謎解き、戦闘を通じて「向き合うべき選択」と「殺さねばならない者」に迫られていく。物語は初回エンディングが固定、2 周目以降は分岐し、全 5 エンディングという構造(マルチエンド)で“周回して全貌に辿り着く”設計が示唆される。シリーズの独立した外伝と明記され、初見でも入りやすい一方、サイレントヒル的“罪と悔恨の心理”は継承。シナリオを竜騎士 07 が手がける点は発売前から最大の話題で、“和ホラー × 昭和の空気感”を物語の推進力に変える狙いがうかがえる。
評判とスコア(Metacritic・Steam・メディアの論調)
発売直後の総評はおおむね良好。Metacritic は 85〜86 点帯で推移し(プラットフォーム差あり)、シリーズ内でも高位の評価層に位置づけられている。国内外メディアは「強い雰囲気・心理性・舞台表現・ストーリーテリング」を長所に挙げつつ、「戦闘の過設計/テンポ」「UI/所持上限の煩雑さ」へ言及するレビューが散見される。Steam では初動「Very Positive(非常に好評)」で推移し、ユーザー層も“古典的 SH とは違うが良作”と受け止める声が目立つ。一方で“怖さよりアクション寄り”“演技のぎこちなさ”“クラッシュ報告”などの指摘もあり、プレイ体験は設定や難易度選択に左右されやすい。シリーズプロデューサーは“挑戦的な変更による賛否は想定内で、竜騎士 07 の起用は正解だった”と手応えを語っており、方向性に自信を示す。
プレイフィールと難易度(アクション強め/見切り・耐久・資源管理)
ゲームプレイは“心理ホラー × 探索”に“手応えのあるアクション”が噛み合う設計だ。ステップ回避やジャスト見切りからの反撃、武器耐久によるコスト意識、所持上限と祠でのやり繰りなど、資源管理の緊張感がホラーの文脈を支える。一方で、敵のモーション特性(ディレイや掴み)により“反射的対応を強いられる場面が多い”“リターンが乏しく単調化しがち”と感じる層もいる。PC 版は“高画質設定での負荷や不意のクラッシュ”といった実地の報告があり、まずはパフォーマンス優先設定・最新ドライバで安定化を図り、FOV やフレーム上限等の不足はパッチ/アップデートのフォローに期待したい。難易度は物語重視〜高難度まで段階的に用意され、パズル難易度も個別に設定可能。最初の周回は“物語重視”寄りで雰囲気を味わい、2 周目以降で難易度を上げて分岐と手触りを深掘りするのが、ストレスと達成感のバランスは良い。
- 雰囲気・美術・音響が突出。1960年代日本×心理ホラーの新機軸が強い没入を生む
- 竜騎士07の物語構成が周回前提の“考察余地”を提供。シリーズ外伝として新規にも入りやすい
- 難易度とパズル設定でプレイ体験を調整可。見切り・資源管理の緊張感がハマる人には最高
- 戦闘テンポやUI・所持上限に不満の声。掴み攻撃や遅延モーションなどでストレスを感じる層も
- “怖さ”より“アクション”に寄るバランスは古典派ファンの期待とズレる可能性
- PC版は高負荷・クラッシュ報告があり、設定最適化と今後のパッチ待ちになるケースがある
まとめ(結論と次アクション)
2025-09-26 時点、『SILENT HILL f』は“高評価スタートだが、戦闘と UI で賛否が割れる挑戦作”という立ち位置だ。Metacritic は 85〜86 点帯、Steam は「非常に好評」。昭和日本 × 心理ホラー × 周回型シナリオという核が強く、ビジュアルと音響の表現力は明確な推し所。一方で、アクションの作法(見切り・耐久・資源管理)や UI 運用にストレスが噛む人もいる。おすすめの買い方は、まず通常版で 1 周目を“物語重視”設定で堪能し、気に入れば 2 周目以降に難易度を上げて分岐回収 ── という“雰囲気 → 歯応え”の二段構え。購入の最終判断では、自分が求める“怖さとアクションの配分”を思い浮かべよう。雰囲気優先で浸りたい人にも、手応えを追うアクション派にも、今作は“美しく、おぞましい選択”を差し出してくる。